60代の父がスマホデビュー、らくらくホンvsiPhoneで悩んだ結果

※本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。

父がスマホを欲しがり始めたのは去年の秋

父は今年64歳。定年まであと1年で、長年使っていたガラケーがついに壊れた。近所の家電量販店で修理を断られ、「もうガラケーは部品がない」と言われたらしく、渋々スマホに乗り換えることになった。

連絡が来たのは土曜日の昼。「スマホって何買えばいいんや」という一行のLINE。ガラケーからLINEを使っていたのが唯一の救いだったが、スマホの機種選びは全く白紙状態だった。

どうせなら、僕が一緒に選んで、使い方も教えようと思って次の週末に実家に帰った。そこから2週間、かなり深く調べたので記録として残しておく。

まず候補を2つに絞った

シニア向けスマホとして候補に挙がるのは主に2パターン。

一つはドコモの「らくらくスマートフォン」シリーズ。現在の主力はらくらくスマートフォン F-52B(富士通製)。もう一つは普通のスマートフォンだが、シンプルに使える機種として評判の高い「iPhone SE(第3世代)」。

最初は「お父さんにはらくらくホンでしょ」と思っていた。ところが調べれば調べるほど、話が単純ではないとわかった。

らくらくスマートフォンを実機で触った正直な感想

ドコモショップで実機を触らせてもらった。父も一緒に来ていた。

らくらくスマートフォンのUIは確かにシンプル。アイコンが大きく、文字が太く、よく使う機能だけがトップ画面に並んでいる。「電話」「メール」「カメラ」「緊急通報」が大きなボタンで整理されていて、初見でも迷わない設計になっている。

ただし、父がすぐに不満を言った。「Googleマップ使いたいんやけど、どこにあんの?」。らくらくスマートフォンはAndroidベースだが、独自UIが強いため、一般的なAndroidアプリをホーム画面に追加するのが分かりにくい。Google Playからアプリを入れる操作が、思いのほか複雑に感じられた。

また、iPhoneと違ってアプリの品質にばらつきがある。シニア向けに最適化されたアプリ以外は、文字サイズや操作感が「らくらく仕様」と合わない場合がある。

もう一つ気になったのが価格。らくらくスマートフォン F-52Bはドコモ定価で約88,000円(税込)。月額料金もドコモ回線前提で、格安SIMへの乗り換えが事実上できない仕様になっている(SIMロック解除が面倒な設計)。

iPhone SEは「シンプルさ」が逆にシンプル

次の日曜日、今度はApple Store梅田でiPhone SEを触らせた。

驚いたのは父の反応。「これ、なんかわかりやすいな」と言った。ホームボタンがある(第3世代はTouch ID付きホームボタンを継承している)ので、「ホームに戻る」という動作が直感的にできる。スワイプ操作が苦手なシニアには、ボタンで完結する操作が合っていることが多い。

文字サイズは「設定→アクセシビリティ→テキストサイズ」で拡大できる。一度設定すれば全体に反映される。アプリもApp Storeのエコシステムが整っているため、主要なアプリは品質が担保されている。

価格は128GBモデルで62,800円(税込)。らくらくスマートフォンより2万6,000円安い。

格安SIMへの移行も容易。iPhone SEはSIMフリーで販売されているため、IIJmioやmineoなど主要MVNOで普通に使える。ドコモから格安SIMに移行すれば月額が4,000〜5,000円程度下がる計算になった。

父が実際に使った2週間の操作教育

結果として、iPhone SE(第3世代・128GB)をIIJmioのeSIM対応プランで使うことに決めた。

初期設定は僕がやった。設定内容は以下。

  • テキストサイズを最大から2段階手前に拡大
  • 太字テキストをON
  • ディスプレイの明るさを自動調整ON
  • Touch IDの指紋を登録(親指と人差し指の2本)
  • 「スクリーンタイム」でアプリ購入を制限(課金トラブル防止)
  • ホーム画面に「電話」「カメラ」「LINE」「Googleマップ」「天気」だけを残し、他はフォルダ整理

操作を教えるときに心がけたのは「一日1つずつ」だ。一度に全部教えると混乱する。初日は電話の掛け方と受け方だけ。2日目はLINEのメッセージ送信。3日目はカメラ。4日目はGoogleマップで目的地を検索する方法。

最も苦労したのは「スワイプ」と「長押し」の区別。誤タップで関係ない画面に飛ぶたびにホームボタンを押して戻るという操作を繰り返してもらった。「迷ったらホームボタン」というルールが一番効いた。

2週間後に電話したら「Googleマップで新しいラーメン屋見つけてきた」と言っていた。

格安SIM移行で月額がどう変わったか

父がドコモで使っていたプランは「ギガホ プレミア」で月額7,315円(税込)。IIJmioの音声通話付きギガプラン(15GB)に変えたら月額1,760円になった。

差額は月5,555円。年間で66,660円の節約。iPhone SEの購入費用62,800円は1年で回収できる計算。

「でもドコモじゃないと不安」という声をよく聞くが、IIJmioはドコモ回線を使うMVNOなので、電波はほぼ同じ。繋がりにくいと感じたことは父からも報告がない。

らくらくスマートフォンが向いているのはこういう人

最終的にiPhoneにして正解だったと思っているが、らくらくスマートフォンが全否定というわけではない。

以下のような場合はらくらくスマートフォンの方が合っていると思う。

  • スマホをほぼ電話とメールしか使わない(アプリ不要)
  • 子どもが近くにいなくて、ドコモショップでサポートを受けたい
  • タッチ操作が著しく苦手で、物理ボタンの押し心地が安心感につながる

逆に父のように「Googleマップ使いたい」「LINEで孫の写真を見たい」「天気予報アプリを使いたい」という人には、iPhoneの方が圧倒的に自由度が高い。

「シニア向けだから簡単」は必ずしも正しくない。シニア向けに特化しすぎた結果、汎用性が下がって結局「使えない」と感じる場面が多い。大切なのは機種のラベルではなく、その人が「何をしたいか」から選ぶことだった。

※本記事は個人の体験に基づく情報提供であり、医療的助言ではありません。健康上の懸念がある場合は、医師にご相談ください。

タイトルとURLをコピーしました