終活ノートを書き始めた40代の僕——早すぎると思ったけど正解だった

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41歳で終活ノートを書き始めた理由

終活という言葉を聞いて「それは70代の話でしょ」と思っている人は多い。去年まで僕もそうだった。

きっかけは、会社の同僚(42歳)が突然くも膜下出血で倒れたことだ。一命は取り留めたが、しばらく意識がなかった期間があって、家族が銀行口座や保険の情報を何も知らなかった、という話を聞いた。奥さんが必死に通帳や保険証券を探し回っていたらしい。

自分に置き換えてみたら、ぞっとした。僕も独身だが、実家の親が急に何かあったとき、どこに何があるか全然わからない。いや、自分自身のことでも、スマホのパスコードすら誰にも伝えていない。

そこで「終活ノートを書いてみよう」と思い立ったのが、去年の11月。41歳。我ながら早いとは思ったが、やってみたら早いどころか「もっと早く書いておけばよかった」と感じた。

コクヨ「もしものときに役立つノート」を買った

エンディングノートは複数の種類があって、最初はどれを選べばいいか迷った。書店で実物を比べて、コクヨの「もしものときに役立つノート」(税込880円)にした。

選んだ理由は、項目が網羅的で書き込み欄が具体的だから。「自分の健康状態」「かかりつけ医・入院中の病院」「保険証・年金手帳の場所」「銀行口座・カード一覧」「デジタル資産(SNS・サブスク)」「葬儀の希望」「相続の意思」「家族へのメッセージ」まで章立てされている。

他のエンディングノートと比べて「デジタル関連」の項目が比較的充実していた点も決め手になった。後述するが、ここが実は一番大事だと感じている。

実際に書いてみてわかった、中身の話

書き始めるとすぐ気づく。「全然情報が整理できていない」という現実だ。

まず銀行口座のページ。「口座のある金融機関名・支店名・口座番号」を書こうとしたら、地方銀行の支店名が思い出せない。ネットバンクのIDはどこかのメモに書いていたはずで、通帳はどこにしまったかも怪しい。証券口座も楽天証券とSBI証券の2つを使っているが、SBIの方のログイン情報が何のパスワードか記憶が曖昧だった。

保険は「えーと、会社の団体保険と、あと個人で入ったやつが一つ…いや、二つだったか」という感じで、証券を引っ張り出すまで詳細が分からなかった。

書き出してみると、自分の資産・負債・契約の全体像がぼんやりとしか把握できていないことが発覚した。これは終活のためというより、自分の財務管理として普通によくないことだ。

1週間かけて全部の通帳・証券・保険証書を引っ張り出して、ノートに書き込んだ。整理が終わったとき、妙な達成感があった。

デジタル遺品の問題が一番厄介だった

エンディングノートの中で最も「書くのが大変だった」のがデジタル関連の章だ。

思い浮かべてみてほしい。突然自分が死んだとき、家族はどうやってスマホを開けるか。iCloudのデータは。Googleフォトに10年分入っている写真は。使っているサブスクは何で、銀行引き落としになっているものをどう止めるか。

整理してみたらこうなった。

  • スマホのパスコード(6桁)
  • Appleアカウント(ID+パスワード)
  • Googleアカウント(2つ持っている)
  • 楽天証券・SBI証券のログイン情報
  • PayPayとd払い(チャージ残高がある)
  • NetflixとSpotifyとAmazonプライム(毎月引き落とし)
  • X(旧Twitter)やInstagramのアカウント
  • 仮想通貨の取引所アカウント(少額だが)

これらを全部書き出すと、パスワードの数が30個近くあった。当然ノートに全部書き込むのは危険(ノートが盗まれたら全滅)。対処方法として、僕が取った方法は2段階にした。

ノートには「どのサービスを使っているか」のリストと「パスワードの保管場所の指示」のみ書く。実際のパスワードは1Passwordに集約して、1Passwordのマスターパスワードは「封筒に入れて印鑑と一緒に金庫に保管している」という一文だけ書く。家族が手順通りに辿れるようにした。

SNSアカウントの「死後の扱い」も決めた

Facebookには「追悼アカウント」という設定がある。死亡後に指定した人がアカウントを「追悼ページ」に変換できる機能だ。設定から「追悼アカウント管理人」を指定できる。僕は弟を指定した。

Instagramも同様の機能がある。Xはアカウント削除を家族が申請できる手続きがある(ただし内容の公開はできない)。

これらを全部ノートに「手続き方法と各サービスのURLを書いたメモはデスクの引き出しに入れてある」という形で案内した。

葬儀と相続の欄:書いてみたら意外に楽だった

「葬儀の希望」や「相続」の欄は、書くのが重そうで後回しにしていた。でも実際に書き始めたら、思ったより気持ちが軽かった。

葬儀は「家族葬で、費用は50万円以内に抑えてほしい」「お花は白がいい」「宗教的な儀式はなくていい」という程度のことを書いた。後から追記・変更できるので、今の気持ちをとりあえず書いておく、という気軽さでいい。

相続は、独身で子どもがいないので法定相続人は両親(または存命の方)になる。財産目録を書いておくことで、遺族が遺産分割の手続きに困らないようにした。

40代で書いて正解だった理由

3ヶ月たった今、エンディングノートを書いて良かったと感じている理由は2つある。

一つは「いつ何があっても、最低限の情報は残っている」という安心感。同僚の話を聞いてから感じていた漠然とした不安が、書き終えた日に消えた。

もう一つは、書く過程で自分の財産・契約の全体像を初めてきちんと把握できたこと。不要なサブスクを2つ解約した。使っていない銀行口座を1つ整理した。保険の内容を確認して、入りすぎていた医療保険を見直した。終活ノートが家計の棚卸しになった。

「終活」という言葉のイメージから「死に向き合う暗い作業」と思いがちだが、実態は「今の自分の状況を整理する作業」だ。41歳で書き始めて早すぎることは全くなかった。むしろ35歳くらいで書いておけばよかったとさえ思う。

コクヨのノート880円から始められる。まず買って、銀行口座欄だけ埋めてみるところから始めると、意外とすんなり書けるはずだ。

※本記事は個人の体験に基づく情報提供であり、医療的助言ではありません。健康上の懸念がある場合は、医師にご相談ください。

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